http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130818-00000005-asahi-soci

捜査対象者の車に、GPSの端末を警察がこっそり取り付けていたことが発覚し、裁判で問題になっています。

このような捜査方法が適法かどうかですが、まずはこれが「強制処分」に該当するかどうかの検証が必要です。「強制処分」に該当するなら、その内容を法律で規定し、裁判官の発行する令状をもとに捜査を行う必要があります。

しかし、GPSを使うことが「強制処分」に該当する可能性は低いでしょうね。他人の意思を制圧して、人権を大きく制約する行為が「強制処分」に該当するのですが、GPSはそこまでのものではなさそうです(もちろん、GPSが「強制処分」に該当するとする考え方もあるとは思いますが)。


では、「強制処分」に該当しなくても、捜査方法として適切であったか。強制処分に該当しない捜査方法の場合は、普通は「捜査をする必要性」や「捜査方法の相当性」を基準に適法かどうかを判断します。

この事件について言えば、警察側の論理としては「覚せい剤事件という重大な事件であり、GPSを用いて『捜査をする必要性』があった。また、GPSを用いても捜査対象となる人に迷惑がかかるものではなく『捜査方法の相当性』もあった」となるのでしょう(ただしこれも、プライバシー権などにからめて、GPSを使うことは重大な人権侵害であり『操作方法の相当性を欠く』といった議論はできると思いますが)。

裁判所の判断だけを予想するなら、「GPSを用いた捜査は適法」となるのでしょうが、反対の意見を持つ人もたくさんいるでしょうね。


コメント

loving-c.
loving-c.
2013年8月19日0:50

鋭いご指摘です。裁判所の判断とそれを受けての議論の進展が注目されます。

かわず
2013年8月19日20:31

loving-c.さん
そうですね。裁判所がGPSを違法とする可能性は低いとは思いますが、注目していきたいと思います。

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