受刑者の選挙権制限は「違憲」 大阪高裁(日本経済新聞)
2013年9月27日 時事ニュース コメント (2)
大阪高裁が、禁錮刑以上の受刑者に選挙権を認めない公職選挙法の規定は憲法違反だとする判断を示しました。
最高裁でまた結論が逆転する可能性があるとは思いますが、なかなかビックリな判断だと思います。この判決に対しては、人によって賛否が分かれるのではないでしょうか。
記事から推測するに、公職選挙法で受刑者の選挙権が制限されている理由と言うのは
①受刑者は遵法精神に欠ける
②受刑者は刑務所の中にいて、情報の取得が制限されている
という点にあるようです。
これに対して大阪高裁は
①→受刑者だからといって遵法精神に欠けるとはいえない
②→情報が取得しにくいといっても、政見放送を見たり選挙公報を取得することはできている
として公職選挙法による受刑者の選挙権の制限が違憲だと断じています。
この判決には抵抗を覚える人も少なくはないでしょう。「服役中の人間が選挙など何事か」と考える人が多いのではないかと思います。
正直、私もこの判決には違和感があります。確かに、記事の中にあるように、「選挙権を制限するにはやむを得ない事由が必要」です。でも、犯罪を犯してしまったという事情は、それだけで「やむを得ない事由」に該当すると思うのですが。
ただ、大阪高裁の判決はこれで確定したわけではありません。最高裁の判断に注目したいと思います。
最高裁でまた結論が逆転する可能性があるとは思いますが、なかなかビックリな判断だと思います。この判決に対しては、人によって賛否が分かれるのではないでしょうか。
記事から推測するに、公職選挙法で受刑者の選挙権が制限されている理由と言うのは
①受刑者は遵法精神に欠ける
②受刑者は刑務所の中にいて、情報の取得が制限されている
という点にあるようです。
これに対して大阪高裁は
①→受刑者だからといって遵法精神に欠けるとはいえない
②→情報が取得しにくいといっても、政見放送を見たり選挙公報を取得することはできている
として公職選挙法による受刑者の選挙権の制限が違憲だと断じています。
この判決には抵抗を覚える人も少なくはないでしょう。「服役中の人間が選挙など何事か」と考える人が多いのではないかと思います。
正直、私もこの判決には違和感があります。確かに、記事の中にあるように、「選挙権を制限するにはやむを得ない事由が必要」です。でも、犯罪を犯してしまったという事情は、それだけで「やむを得ない事由」に該当すると思うのですが。
ただ、大阪高裁の判決はこれで確定したわけではありません。最高裁の判断に注目したいと思います。
コメント
>それだけで「やむを得ない事由」に該当すると思うのですが。
こういうご指摘は大いにあると思います。
たぶんこういう批判が多数、大阪高裁の判決に対して向けられると思います。
ただ、そもそも元受刑者の中には菅谷さんやマイナリさんのように
再審で無罪が確定した人もいるのです。
今服役中の受刑者にも本当は無罪だという人は、
残念ながら一定数いると思います。
多くは警察の捜査ミスを検察や裁判所が見逃してしまったために
誤って受刑させてしまった人にも選挙権を制限するのは不当です。
また、本当に有罪の受刑者の中にも、
知的障害がありしかも福祉と上手くつながっていなかったために、
ささやかな犯罪(無銭飲食など)を繰り返し何度も刑務所に出入りしている
「累犯障害者」がいるのです。累犯障害者たちの多くは
凶悪犯罪をした訳ではありません。
その上、繰り返しになりますが、累犯障害者たちは、
以前に福祉と上手くつながっていたら、累犯に陥らずに済んだかもしれないのです。
つまり、累犯障害者は司法と福祉の連携が不十分なために受刑者にさせられて
しまった人たちであり、そういう人たちに受刑者というだけで選挙権を制限するのは、
司法と福祉の連携不足という国家機関の機能不全のつけを累犯障害者に
おしつけることになるので、不公正だともいえると思います。
それに、たとえ殺人で実刑を食らった人の中にも、
例えば介護疲れの殺人といった全面的に非難のできない事情のある人もいます。
そういう人に受刑者という理由だけで選挙権を制限することは、
利用が容易な場合ばかりではない介護制度を定めた国会や、
そのような介護制度を運用している行政のやっていいことなのか、
大いに疑問です。
したがって私は、大阪高裁の今度の判決は、
近年まれにみる名判決だとすら思っています。
もっとも、最高裁は、立法府や行政府の判断を尊重する傾向が強いですから、
大阪高裁の判決は取り消される可能性が高いと思います。
しかし、それでも、大阪高裁は、重要な問題提起をしたと思います。
なぜなら。この判決によって、受刑者の権利をどこまで制約することが
許されるかについての議論が更に活発になり、
その議論は受刑者に対する扱いをより効果的で正しいものにするために
大いに役立つと思うからです。
長くなったので、コメントとして書こうとしたことをブログの本文に掲載しました!