JASRAC判決。競争と利便性は時として両立し得ない
2015年4月29日 公正取引委員会http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150428-00000576-san-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150428-00000109-mai-soci
JASRACがマスメディアと結んでいる契約形態が独占禁止法に違反するとする最高裁の判決が出ました。
問題となっている契約は、包括契約方式と呼ばれるもの。メディア側は毎年一定額をJASRACに支払えば、JASRACの保有する楽曲を自由に使用できるというものです。
メディア側からすれば、一定額をJASRACを支払うことが決まっていて、JASRACの保有する楽曲ならいくら使っても支払う額が増えることはないのですから、何もなければJASRACの曲を使おうとしますよね。
加えて、音楽業界ではJASRACがほぼすべてのシェアを占めているわけですから、メディア的には「とりあえずJASRACの曲があればいい」という感覚になるのでしょう。これが参入障壁となっていることは容易に想像がつきます。
確かに、包括契約方式にしておけばマスメディア側にもメリットがあることは否定できません。ただ、そのメリットを考慮してもなお、参入障壁として競争を阻害するというデメリットが大きすぎると最高裁は判断したのでしょう。
「競争」を確保するためには、時として「利便性」を犠牲にしなければなりません。「利便性」だけを追求するなら、市場を1社に独占させて良いという結論が導かれてしまう可能性があります(競争がなければ、競争のためのコストがなくなるという面があるから)。
JASRAC判決は、利便性よりも競争を重視すべき場面があることを示唆する判決なのだと言えるのかもしれません。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150428-00000109-mai-soci
JASRACがマスメディアと結んでいる契約形態が独占禁止法に違反するとする最高裁の判決が出ました。
問題となっている契約は、包括契約方式と呼ばれるもの。メディア側は毎年一定額をJASRACに支払えば、JASRACの保有する楽曲を自由に使用できるというものです。
メディア側からすれば、一定額をJASRACを支払うことが決まっていて、JASRACの保有する楽曲ならいくら使っても支払う額が増えることはないのですから、何もなければJASRACの曲を使おうとしますよね。
加えて、音楽業界ではJASRACがほぼすべてのシェアを占めているわけですから、メディア的には「とりあえずJASRACの曲があればいい」という感覚になるのでしょう。これが参入障壁となっていることは容易に想像がつきます。
確かに、包括契約方式にしておけばマスメディア側にもメリットがあることは否定できません。ただ、そのメリットを考慮してもなお、参入障壁として競争を阻害するというデメリットが大きすぎると最高裁は判断したのでしょう。
「競争」を確保するためには、時として「利便性」を犠牲にしなければなりません。「利便性」だけを追求するなら、市場を1社に独占させて良いという結論が導かれてしまう可能性があります(競争がなければ、競争のためのコストがなくなるという面があるから)。
JASRAC判決は、利便性よりも競争を重視すべき場面があることを示唆する判決なのだと言えるのかもしれません。
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