相変わらずネットに繋ぎにくい環境にいます。

でも、このニュースは興味があるので、少しでも日記に残しておきたいと思います。

とりあえず思うことは、「課徴金減免制度は有効だ」ということです。
課徴金減免制度は、公正取引委員会に談合があることを伝えれば、本来支払わなければならない課徴金の額を減らしてもらえるという制度です。

この記事の中では、工事を受注した業者が、課徴金減免制度を利用して談合を自主申告したとされています。業者の中で、莫大な額の課徴金を支払うよりも談合を自主申告した方が得だという判断があったのでしょう。

この話題は進展があったら、またこの日記のなかで紹介したいと思います。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131113-00000546-san-soci

JASRACの著作権についての訴訟で、正式に公取委が上告を行ったようです。

独占禁止法をめぐる訴訟については、そもそも最高裁まで行くことが少ないです。そのため、今回最高裁の判決がでることになれば、独占禁止法についての貴重な最高裁判決の一つになります。

最高裁は法律審です。事実認定ではなく独占禁止法に対する法律判断が出るので、この判決は非常に注目すべきものです。

簡単に結論は出せないでしょうが、1年以内くらいには最高裁判決が出てほしいと思います。
楽天での優勝セールで不当表示があったのではないかと話題になっています。

法律の条文を出すなら、景表法の4条1項2号あたりに抵触する可能性があるのでしょう。

それにしても、楽天ほどのサイトでこのような事件が起こるとは驚きでした。不当な表示をしたのは楽天のサイトに出品している業者のようですが、審査では見過ごされていたわけですからね。

消費者庁のホームページにあるパンフレットを少しでも見ていれば、今回の優勝セールで行われたことは「景表法に抵触する可能性がある」と気づきそうなものです。しかしそれでも今回のような事件が起こったということは、パンフレットに書かれているレベルのこともフォローできていなかった可能性があるわけで・・・。

http://www.caa.go.jp/representation/pdf/130208premiums.pdf
(消費者庁が発行しているパンフレット。今回の事件に関係するのは7ページあたり。ちょっと重いです)

消費者庁などから何らかの処分があるのか注目したいと思います。

JASRACの活動が独占禁止法違反であるとする判決が出ています。

この判決の中では、テレビ局などとの間で締結していた、一定額を支払えばJASRACの管理する音楽を使い放題になるという契約が、独占禁止法の私的独占に該当するとされたようです。
JASRACとの間でこのような契約を締結できれば、テレビ局としては音楽素材には困らないのでしょう。

この判決が考える健全な競争が生じている状態というのは、「テレビ局が使いたいと考えた音楽を管理している団体ごとに、音楽の使用契約が締結されている状態」ということになるのでしょう。今回の訴訟で原告となっているイーライセンス社も、そのような状況が生じることを望んでいると思われます。

確かに、このような状態が生じれば、音楽業界で健全な競争が行われているといえます。しかし、そう上手くいくでしょうか。

現状では、JASRACが圧倒的なシェアをもち、(記事には書いてないですが)管理する音楽数も圧倒的に多いのでしょう。そうすると、やはりテレビ局としては、新規参入事業者と音楽の使用契約を締結することなく、JASRACのみを相手にすることになる可能性が高いです。

この判決により、新規の事業者も参入しやすくなるとは思います。しかし、シェアが大きいのだからJASRACはまだまだ強い影響力をもっている。

一般的に、シェアが大きければ独占禁止法が想定している健全な競争は生じにくくなるとされています。音楽業界で健全な競争を生じさせるためには、もう少し踏み込んだ措置が必要になるかもしれません。
ニューヨークで日産が締結したタクシーの車両を独占的に供給する契約が、裁判所により無効であると判断されました。

アメリカの法律はわからないので、日本の独占禁止法に当てはめてこの事件を考えて見ます。

日本の独占禁止法では、手段の如何を問わず他の競争相手を市場から排除する行為を「私的独占」として禁止しています。日産が日本で同じようなことをすれば、「私的独占」に該当するとして、排除措置命令が出される可能性があると思います。

たとえ日産の車の性能が良いとしても、理由もないのに「自社の生産するタクシーだけを購入しろ」と迫ることはできません。地域のタクシー協会等が、7割は日産の車とし3割は別の会社から購入したいと考えたなら、原則としてその意思が尊重されます。それが、車の会社が競争した結果として、購入者が選択したことだからです。

ただし、独占的な契約が無効になったとしても、商品を売ることができなくなるわけではありません。日産は、このような契約を締結することなく自社の車両を売り込んでいくことになります。

結局、変な形で市場での競争を失わせることを防いでいるのが独占禁止法だということになるのだと思います。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130906-00000839-yom-soci

北陸新幹線だけではなく、北海道新幹線の消雪設備でも談合が行われていたようです。

北陸新幹線のケースでは、消雪設備についてのノウハウをもつ業者が限られていたようです。そのため、北海道新幹線でもノウハウを持つ業者が限られていて、入札者が誰かを推測しやすく談合がしやすい環境にあったのではないかと考えられます。

談合が悪いというのはその通りだと思うのですが、ここまで来ると一般競争入札を行うことそのものを回避する必要があるのではないかという気もします。談合しやすい環境にあるなら、そもそも一般競争入札を行わないというのも、一つの選択肢だと思うのですが。

一般競争入札を行わないとすると、個別に企業と交渉して発注する相手を決めることになります。談合が行われる可能性が高いなら、このような随意契約方式の採用を検討すべきではないでしょうか。
北陸新幹線の融雪設備工事をめぐり受注業者が談合を行っていた疑いがあるとして、公正取引委員会は4日、独占禁止法違反容疑で受注業者らに対して家宅捜索を行っています。

落札率(予定価格に対する落札額の割合。発注者が100万円を上限として入札を行い、受注者が80万円で落札すれば落札率は80%になる)が95%を超えることが続いていたようですからね。談合していた可能性は高いでしょう。

さらに今回の事件では、技術上の問題から入札できる業者が限られていたようですからね。入札での競争相手を把握しやすく、余計に談合しやすい環境にあった。

一般的に談合事件は、証拠が残りにくいという特徴があります。
本気で談合をしている業者は、談合の結果を書面に残すような馬鹿なことはしません。密室で話し合って、話し合いの結果に従って粛々と入札を行えば、それで談合の目的は達成できてしまいますからね。。

だから、談合があった場合にそれを証明するには、状況証拠を積み上げていくしかないというケースが多いです。公正取引委員会の方々の苦労はどれほどのものなのでしょうか。


ちなみに、談合をしないと競争にさらされることで建設業者が倒産してしまうので、あまり独占禁止法は厳格に適用すべきでないという意見もあります。ただ、この考えを突き詰めると、独占禁止法を廃止した方がよいというところまで行ってしまう気もしまうので、それもどうかなあと思います。




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